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2011年11月24日 (木)

Twitterで見つけた数学の問題

最初のネタとして、twitterで見つけた問題を解いてみる。

「複素数z(ゼット)が|z|=1かつ|1+z+z^2+…+z^2n|=1(nは正の整数)をみたすとき、(1)1+z+z^2+…+z^2n=±z^n であることを示せ。(2)このようなzを全て求めよ。^2nは2n乗」

問題(1)
等比級数の公式より、

|1+z+z^2+…+z^2n|=|1-z^(2n+1)|/|1-z|=1

であり、従って、

|1-z^(2n+1)|=|1-z|  ①

となる。式①を、ガウス平面上で考えてみる。|z|=1だから、zおよびz^(2n+1)は原点を中心とする単位円周上の点。式①の右辺は点zと1を結ぶ弦Aの長さに等しい。同様に、左辺は、点z^(2n-1)と1を結ぶ弦Bの長さ。明らかに、弦Aと弦Bが等しくなるためには、z^(2n+1)がzまたはその共役複素数z*に等しくなければならない。

(i) z=z^(2n+1)のとき、この両辺をzで割り、変形すると、

1 = z^2n = (z^n)^2  ②

となるが、左辺と右辺から、

z^n=±1 ③

となる。これらの結果を用いて問題(1)の式を計算する。

1+z+z^2+…+z^2n={1-z^(2n+1)}/(1-z)
= {1-(z^2n)z)}/(1-z)
= (1-z)/(1-z)
= 1 = ±z^n ④

(ii) z*=z^(2n+1)のとき、両辺にzをかけると、

z*z = z^(2n+2)

となるが、左辺は|z|^2 =1に等しいから、結局、

1 = z^(2n+2) = {z^(n+1)}^2 ⑤

が言える。また、この左辺と右辺から、z^(n+1) =±1 となるので、両辺をzで割り、

z^n= ±1/z

が得られる。(i)と同様に問題(1)の式を計算すると、

1+z+z^2+…+z^2n={1-z^(2n+1)}/(1-z)
= {z-(z^2n+2))}/(1-z)z
= (z-1)/(1-z)z
= -1/z = ±z^n ⑥

(iii) ④と⑥から、複素数z(ゼット)が|z|=1かつ、ある正の整数nに対し|1+z+z^2+…+z^2n|=1をみたすとき、常に1+z+z^2+…+z^2n=±z^n となることが示された。(証明終わり)

問題(2)
式②および⑤の左辺と中辺から、zは、「1のすべての偶数乗根」であることが分かる。ただし、1の任意の奇数(k)乗根は、1の2k乗根の1つであるので、「1のすべてのk乗根(kは任意の正の整数)」と言っても同じことである。

式で書けば、z=exp{iπa/b} (a,bは任意の正の整数)となる。


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