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2014年4月 5日 (土)

今世間を騒がせているSTAP細胞の件

http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140401_2/

研究当事者の所属機関である理研が明確に認めているので、不正があったのは事実なのだろう。まことに残念なことである。私は生命科学については門外漢だが、基本、こんないい加減なことで、論文が英ネイチャー誌の査読を通ってしまうものだとは思わなかった。だが、ここで書きたいのは、このことではない。

今回のことは残念ではあるが、上記調査報告に示されている理研の対応は、妥当だと思う。

① 不正があったことを認め、論文を取り下げ、謝罪する。
② 再発防止策を検討する。
③ STAP現象については「第三者による検証により証明されていくものであり、・・・その厳密な検証を行うとともに、積極的に情報発信することを通じて外部の研究者による検証実験に協力していく」としている。

これに対し、次のような意見を述べる人たちがいる。

http://blogos.com/article/83554/
http://blogos.com/article/83666/
http://blogos.com/article/82587/
http://blogos.com/article/83621/

これらを見て、本当にがっかりした。これらの論者のサイエンス・リテラシーの水準に対してである。

この人たちによると、「本質的な問題は、STAP細胞は存在するのかということで、今回の調査報告書ではこれには答を出していない」(池田信夫氏)とのことで、さらに池田氏は「彼女のこれまで作製した(と思った)STAP細胞がすべて誤りだったことを証明するしかない。拙速に処分するより、科学的に決着をつけたほうがいい」と述べている。しかし、これは的外れな批判である。なぜなら、「STAP細胞がすべて誤りだった」、即ち「STAP細胞がどこにも存在しない」といいうことを証明するのは不可能(”悪魔の証明”)だからである。この点、池田氏の議論は、自ら論理的と言っているにもかかわらず、実際には、少しも論理的でない。

小保方博士の手元には、本当にSTAP細胞があったのかもしれないし、なかったのかもしれない。しかし、ポイントは、ここではない。本質的な点は、(理研の調査チームによると)彼女がSTAP細胞の存在及び製法を、科学的に適切なエビデンス(証拠)に基づいて示すことがっできなかったことである。。この結果、科学的判断としては、「STAP現象は、現状、未確認である」ことになる。理研は、調査報告を通してここまで明らかにしたことで、最低限の社会的責任は果たしたといってよい。結局、STAP現象が可能かどうかは現状不明なわけだが、それは致し方ない。(小保方博士を含め)STAP現象が可能だと思う人は、適切なエビデンスを得るべく、今後、一層頑張って研究すればよいというだけのことだ。

なお、私と同意見の論者(藤原数希氏)もいる。

http://blogos.com/article/83674/

「理研のSTAP細胞の疑義に関する調査報告は概ね順当」「こうして、STAP細胞はただの仮説に戻ってしまった。つまり、科学としてのSTAP細胞の話はすでに終わったと言っていい。」その通り。エビデンスが捏造されていたと証明されれば、STAP細胞は単なる仮説の一つに戻る。科学的にはこれで終わり。

問題は、このレベルのサイエンス・リテラシーが、なかなか日本国民の共通認識にならないことだ。先週(何曜日だったか忘れた)「報道ステーション」を見ていたらたら、アナウンサーの古舘氏が、「(調査報告書を見ても)一番知りたいこと、つまり、STAP細胞があるのかないのか全然わからない」と、理研を批判していた。私にとっては、正直、理研より、テレビ朝日のほうがもっと情けない。

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