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2016年4月 3日 (日)

福島事故についての報告

 国連科学委員会から、福島第一原発事故についてのレポートが出ている(日本語版あり)。

http://www.unscear.org/…/en/publicati…/Fukushima_WP2015.html
http://www.unscear.org/…/Fukushima_WP2015_web_jp_rev_V16001…
http://www.unscear.org/…/15-0285_Report_2013_AnnexA_Ebook_w…(2013年版:後半が日本語)

[2015年版65段落]
 「(2013年の福島報告書で)放射線被ばくによる確定的影響は公衆(引用者注:原発作業員でない一般市民)では観察されておらず、今後も出現しないと予測されている。」 続けて、妊娠中の被ばくによる、流産や出生時異常、被ばくした人の子孫の遺伝性疾患、放射能関連の白血病や乳がんやその他の固形がん(甲状腺を除く:後述)の識別可能な増加は予測されない、としている。
 また、甲状腺がんについても、「過剰な発生は考慮する必要がないとみなされている。」としている。ただし、「感度の高い超音波を使用した・・・集団検診により・・・多数の甲状腺嚢胞…などが検出されると予想されている。」(いわゆるスクリーニング効果) 実際、「事故による放射性核種の沈着が生じていない青森県、山梨県、長崎県の各県で、同様の又はわずかに高い有病率で嚢胞と小結節が確認された。」


[2015年版68段落](2013以降の報告で)「2013年福島報告書の仮定または知見に異議を唱えるものはなく、むしろ、これらの知見の補強または捕捉に役立つものであった。」 

 国連科学委の見解は、まあ当然のことだが、「真実を探す」などと称する、いわゆる「危険煽り派」ではなく、日本政府、および菊地誠先生や早野龍五先生などの見解と一致している。

 もちろん、国連の見解だからすべて正しいというわけではない。私が、「危険煽り派」から見たら楽観的と思われるであろう、上記見解に組する理由の一部は、チェルノブイリ事故後の欧州の汚染状況との比較に基づいている。
 一番端的なデータとして、次の2つの地図を見比べてほしい。


http://radioactivity.nsr.go.jp/・・・/6000/5847/24/203_0727.pdf
最終ページが日本のセシウム137汚染状況を表している。チェルノブイリ後のヨーロッパがこちら↓
http://www.grida.no/・・・/detail/radiation-from-chernobyl_7925#

 日本地図(最終ページ)で、少し濃い灰褐色の部分及び少し青っぽくなっているところの一部(福島県会津地方といわき地方のほぼ全域、群馬県南部、茨城県と千葉県の県境、岩手県南部)が10kBq/m2超だが、これが欧州の地図の薄橙色の部分(東欧、北欧の広い範囲、オーストリアのほぼ全域、南独、スイス、南仏、ギリシャ、英伊の一部)に相当する。
 日本地図の濃い青のところ(福島県中央部、福島/宮城および福島/栃木の県境、栃木県、群馬県の一部)とその両側が、欧州の地図の濃い橙の部分(東欧の広い範囲、北欧、オーストリア、ギリシアの一部)に相当する。
 「危険煽り派」の中には、東京で五輪を開催するのもけしからんという人がいるのであるが、彼らの主張が正しければ、欧州はとうの昔に壊滅していたはずだろう。また、そういう人は、主張に一貫性を持たせるため、欧州での運動競技の禁止を呼びかけるべきであろう(半減期を考えても)。
 私自身は別の理由で東京五輪に反対していたが。。。。

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